耐震診断に建物の劣化が影響する?!
耐震性能を見極めるために、耐震診断をしますが、耐震診断の方法は、耐震計算ソフトを使用して、算定します。
このとき、元々の建物の構造上の耐震性能の問題以外にも、築年数が経過して建物全体が損耗・劣化しているときに、「構造強度も経年低下している」と計算ソフト上取り扱われるので、建物の劣化状況が計算結果に結構大きく影響します。
冷静に考えるともっともなことだとは思いますが。
経年劣化の度合いが高いと、その分大きく影響を受けるのです。
では、耐震性能を上げるにはどうしたらよいか?
建物の損耗している箇所を修繕すれば、修繕した箇所の構造評点が改善されて、耐震性能数値が上がります。
また、全体の構造強度を上げるためには、建物の東西南北の4つのブロック全体に、バランスよく耐震補強を追加することも重要となります。
壁面の割合が多い面には、既存の外壁を中心に改修・補強すれば、構造強度の確保が可能なことが多いですが、開口部が多く、壁が少ない面・間取りの場合、既存壁の補強のみでは必要な強度を確保できない可能性が高いです。
その場合には、壁の増設または耐震フレームなど特殊金物の追加を考える必要が出てきます。
詳細は、耐震設計により検討が可能です。ただし、そのときに、外部・内部の損耗箇所をどこまで修繕するか、どの方法で改修するかによって、耐震設計の計算根拠が変わってきます。
修繕の範囲や方法が耐震性能に影響するので、たとえば、屋根や外壁を部分補修にするか全部新装するか?材料は何を使うか?内部の壁や床の仕上げはどうするか?なども、併せて方針決定していくことが重要です。
一般的な傾向として、外壁や屋根を大修繕すれば耐震補強は少なくて済み、外部の修繕を簡易にすれば耐震補強は多く必要になる傾向があります。
耐震診断をどこに頼めばよいか迷ったら
理想としては、耐震基準をクリアするように耐震補強することが望ましいですが、それが難しい場合、できるかぎり耐震性能を上げる方策やアイデアを考えることをいつもこころがけています。
耐震について気になる方は、お気軽にお問い合わせください。