【引渡後】耐震基準適合証明書発行

木造住宅の耐震診断

はじめのご依頼は、耐震基準適合証明書の発行でした

お客さまからのご依頼は、当初、購入予定の木造住宅の耐震基準適合証明書の発行でした。

所得税の住宅ローン税制、登録免許税、不動産取得税の各減税の手続きに必要だったからです。

結論を先に申し上げますと、既存のままでは耐震基準適合が取得できなかったので、耐震診断(1回目)→住宅売買契約締結→耐震補強工事計画作成→住宅の決済引渡→耐震補強工事実施→耐震診断(2回目)→耐震基準適合証明書発行(引渡後タイプ)→引越・住民票異動届出という流れで進めました。

 

図面を受領して現地調査、しかし、耐震不適合!

図面を基に簡易チェック

竣工図面をお預かりしてざっと確認したところ、耐震基準は充たしていないかもしれないと見当がつきました。1階の壁の配置バランス壁量が不足していそうだったからです。その旨を伝えたうえで依頼者のご承諾を得て、実際に住宅の現地調査を行いました。

通常、この段階では、予備調査として、図面類、構造計算書、増改築履歴等の情報を集めておきます。

 

現地調査ののち耐震計算

現地で、竣工図と現地施工状況の照合、サーモカメラを使って筋交いの配置確認、小屋裏から構造部材の設置を目視、室内・外壁・基礎の劣化状況を調査していきました。外壁や基礎にも劣化が確認されました。

帰社後、国交省の定める基準により作成された、耐震計算ソフトを使って、耐震計算を行いました。

【参考】一般社団法人日本建築防災協会 耐震支援ポータルサイト

「耐震診断・耐震改修とは?」

 

耐震計算の結果は、、、

耐震計算の結果は、耐震基準を充たしていない数値となりました。

今回の住宅は、1981(昭和56)年6月1日以降に建築確認を受けており、建築基準法の新耐震基準を充たしていました。それなのに?!

 

新耐震の建物なのに、耐震基準を充たさない?!

実は1981(昭和56)年6月1日のあと、2000(平成12)年6月1日に改正建築基準法が施行されています。

耐震計算ソフトはこの新しい基準をもとに作成されています。

2000年の改正により、木造住宅では、地盤調査による地耐力の確認および基礎の仕様規定、耐力壁の量・配置基準、構造材・接合金物の仕様規定、これらの義務化が追加されました。

1981年に新耐震基準が導入された後に建築された木造住宅の場合でも、2000年に義務化された基準に合致していないことが多いので、耐震計算ソフトで計算すると、耐震基準不適格の結果が出ることが非常に多いです。

 

次に、耐震設計・耐震補強工事の計画を作成しました

お客さまの強いご希望により、耐震補強工事を実施して、耐震基準適合証明書を取得する方向に決まりました。そうとなったら、さっそく耐震設計・工事計画の作成です。

耐震補強には、さまざまな方法・工法・部材があります。

そのいずれを選択するかで、工期も、金額も、仕上がりの状況もまったく変わります。

そのほかにも、リフォーム工事と同時に行うか等の条件によっても変わります。同じ工事箇所なのに何度も工事すると、費用の無駄になってしまいますね。

耐震補強計画をつくるうえでは、お客さまとの綿密な打合せが必要になってきます。また、耐震工事の工法や部材も常に進化しているので、当社でもアップデートにいつも時間と手間を惜しまないよう心がけています。耐震工事をするときには、適切・的確なアドバイスのできる耐震改修に精通している建築士、施工会社に依頼することが大切です。

 

 

耐震補強工事ののち耐震診断【再】

耐震補強工事開始→アレ、柱が?!

解体してみたら、、、

耐震補強工事プラスその他改修工事に着手。耐震補強をしようとして、壁を剥がすと、、、柱がボロボロ?!

そこは、しっかりと柱を補強し直しましたよ。

筋交いも設置しました。

工事期間中は、頻繁に工事の確認に伺いました。

 

耐震補強工事後→再度、耐震診断を行いました

再び耐震診断ソフトで診断を行う

耐震改修工事完了後、すべての耐震性能に関係する工事箇所が、適切に施工されているか確認を行いました。

問題なし!だったので、耐震診断ののち、耐震基準適合証明書を発行いたしました。

 

今回の耐震適合証明は、、、【引渡後】タイプ

今回、住宅の売買契約締結・決済引渡が完了するまでの間に、耐震補強改修工事を終えることが時間的に難しかったので、引渡後に発行するタイプの耐震適合証明書を選びました。通常の耐震適合証明書は、住宅の引渡前までに、売主名義で発行するのが原則です。

このタイプでは、登録免許税の軽減には適用ができませんが(なぜなら、所有権移転登記を行う時点では、耐震改修が終わっていないので、適合証明は発行されないため)、それ以外の減税手続きにはご利用が可能です。※物件または購入者ごとに適用可能な軽減税の種類は異なります。

引渡後に耐震適合証明書を発行するときの注意点】
  • 耐震適合証明書が発行される前に、住み始めないこと
  • 耐震適合証明書が発行される前に、住民票を異動しないこと

以上、無事にお客さまに、耐震基準適合証明書をお渡しできました。

 

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